第120回日本解剖学会総会・全国学術集会, 第92回日本生理学会大会合同大会優秀演題賞・香川大学学長表彰 平成27年9月

平成273月 神戸国際会議場で開催された第120回日本解剖学会総会・全国学術集会, 92回日本生理学会大会合同大会において、下記の研究演題が、学生ポスターセッション学部学生部門(発表数121演題)の中で優秀演題賞に選出され表彰を受けました。全国規模の日本解剖学会・日本生理学会の合同大会での受賞であり学術研究活動において、特に顕著な業績を挙げたものとして香川大学長より表彰されました。  

Rac1分子スイッチの時間空間的ON/OFF制御によるファゴソーム形成分子メカニズム」 

池田 結香、川合 克久、荒木 伸一 (香川大学 医学部 組織細胞生物学)

http://www.kagawa-u.ac.jp/topics/student/16576/


  

学長表彰をうけて お礼の言葉  医学科6年 池田 結香

この度は学長表彰という大変名誉な賞をいただき誠にありがとうございます。また、研究のご指導いただきました荒木教授を始めとする組織細胞生物学の先生方に併せて御礼申し上げます。

医学は臨床医だけが主役ではありません。日々医療は進歩していますが、それは一方で研究を行い、医学を少しずつ発展させている研究医がいるからこそです。基礎と臨床は車の両輪、そのような思いから私は3年生の前期から組織細胞生物学講座で「Rac1分子スイッチの時空間的ON/OFF制御によるファゴゾーム形成分子メカニズム」に関する基礎研究をしてきました。最初は顕微鏡の使い方もままならず、自分が何を調べているのかも上手く説明できない程でしたが、徐々に慣れてくると自分から研究のアイディアが浮かぶようになりました。基礎研究は、論理的思考を養うのに最適であったと思います。研究では、まだ世界中の誰も知らないことをどのような実験を行えば解明できるのか、また実験で得られたデータを正確に読み取り解釈して、さらにどう発展させるのかを考えます。そして最終的にそれらをまとめ新たな説として学会や論文で発表します。基礎研究は、一見臨床医学から遠く離れた存在に感じますが、その論理的思考過程には多くの共通点があります。昨今は高齢化が進み複雑な病態を持った患者さんが多く受診されますが、そのとき医師に求められることは、患者さんの訴えを聴き、どのような検査が必要であるかを考え、得られた検査画像やデータを正確に読み取とって治療方針を決定することです。臨床は高学年から始まりますが、基礎研究は低学年のときから始めることができます。後輩の皆さんも、ぜひ早い内から臨床でもきっと役に立つ洞察力や論理的思考のトレーニングのためにも基礎医学講座に来てください。

研究すること自体が本当に楽しかったです。顕微鏡で小さな細胞が自然の摂理に従ってとても綺麗に存在するのを見るだけでも感動的です。未知の事が一歩一歩解明できるという喜びや、幸運にも研究成果が学会で認められ賞をいただいたことへの誇りは来年から始まる医師人生の中でも一生忘れることのない大切な経験となりました。私は将来臨床医になる予定ですが、リサーチマインドを忘れず、常に物事を一歩先まで深く考えられるような医師を目指したいです。このような大変貴重な機会を与えてくださった組織細胞生物学講座の先生方、そして香川大学に改めて感謝いたします。この大学に来て私の人生は180度変わりました!本当にありがとうございました。